昨日は父の誕生日だった。彼はずっと前から、自分の死ぬ年齢を決めてて、お誕生日telしたら、後4年って言ってた。
カフカの『変身』では、主人公のグレゴールが、ある朝起きたら虫に変わっていたというお話。そこから仕事に行けなくなり、一家の稼ぎ頭を失った家が形を変えつつ存続していく中で、家族から疎んじられていく、部屋に引き篭もった虫がどうなっていくかが描かれている。
100分で名著、には介護小説としても読めるという話が載っていて、頷ける部分はあるし、引きこもり小説としても読めるとも言える。そう考えると、没後100年、カフカの先見の明、と思えてきそうだけど、カフカ自身はこの小説を書いた時に笑いながらストーリーを語っていたらしいし、カフカが書いたSF小説として捉えるのが正しい気がする。
カフカの本は結構読んでいて、『変身』よりも『アメリカ』『審判』などの方が気に入ってる。言いようのない暗い世界で理不尽に振り回される主人公k。飛躍した会話の中に何故か現れる現実味や具体性。その絶妙なバランスの中、最後まで振り回され続け有耶無耶の中終わっていく。加藤周一は、それを大企業や官僚社会とどこかで言っていたが、それも納得がいく。
母は綺麗なまま亡くなっていき、父は後4年と言ってるけれどどうなるのか。これから先の僕の人生の中で、おそらくまだ生きている僕が、父を虫のようにぞんざいに扱わないようにという戒めにする本ではない筈だ。でもせっかくだから戒めにしておこう。
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