母が亡くなってもう7年にもなるけれど、今日は母の命日だ。母が亡くなった話からスタートする本といえばアルベール・カミュの『異邦人』。
Aujourd’hui, maman est morte. Ou peut-être hier, je ne sais pas.
フランスの小説って中々文法で習わない単純過去っていう時制で動詞が変化するから、中々読むのにハードル高く最初は感じるのだけど、カミュの『異邦人』、アゴタ・クリストフの『悪童日記』からの3部作辺りは、フランス語学習者が必ず最初に習う複合過去で書かれているから、とっつきやすい。
命日ってフランス語で、anniversaire って今調べて知った。この言葉は誕生日という意味の言葉。死んだ人について話す時、どっちかわからなくなってややこしくなりそうだけど、文脈でよめないときはどう表現してるんだろう。
加藤周一が、妹の死で胸にぽっかり穴が空いた気がしたと書いていたけれど、僕はちょうど母の死と引き換えのように妻が現れて、不在が埋められたまま生きている。7年1日のような電光石火の日々、今のよく働く僕と、幸せに働けている僕を見れば、母は微笑むに違いない。
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